日々雑論 やっぱこのおっさん粋と悪趣味を確実に履き違えてるよ

 まー世間を見るにつけ、フィリピン人の女の子の退去問題とか、例の国籍法改正案に沸きあがるキの方々とか鬱陶しい事この上ない事ばかりで頭抱えちゃってるのですが、実家の発掘作業をしていたら、恨ミシュランの3巻が出てきました。
 で、今まで、麻生くんの悪趣味ぶりについて、どうにも上手に説明できなくて、魚の骨が喉に引っかかっていた感じがあったのですが、ぺらぺらと頁を捲っているうちに「あぁなるほどね」と氷解した訳で。
以下、恨ミシュラン3巻「重箱」編より

 「大観や春草もええけど、暑い盛りは玉堂はんにかぎりますなぁ」
 とでも一発かますことが出来たら、あなたもアッパークラスの鰻道である。あ、玉堂とは、改めて断るまでもないが、橋本雅邦に師事し大正から昭和初期にかけて東京美術学校日本画教授を務めた河合玉堂画伯のことですね。
 玉堂は、英才の横山大観菱田春草らの実験的な新風とは違って、最後まで雅邦流を守り通した頑固者だ。床の間にはその玉堂が描いた生姜の額がある。前に訪れたときは確か鏑木清隆だったか。清隆は江戸浮世絵の流れを継ぐ日本画家だが、西欧芸術に負けないで明治の風俗を描き続けた頑固者。
 してみると、この家の主人は頑固一徹がご趣味のようだ。(略)
 (略)まず部屋に入って床の間の画幅を愛でる事から始まる。それから、季節の花を褒め、器を褒め…それらを褒めるのには莫大な知識の積み重ねが必要だ(略)

 粋なダンディズムを語るに避けて通れないのがこの「莫大な知識の積み重ね」という奴だ。これもないのにやたら薀蓄を垂れ流してカッコつけても「ただの薀蓄たれの悪趣味」としか周囲は見ないと思うんだよなあ。確かに生まれとか育ちとか家柄とか、色んな要素があるように考えられちゃうけどあくまでそれは条件、つまりスタートラインでしかない。
 そういう意味では麻生とかアベシとか生まれとか育ちとか家柄とかは確かに「サラブレッド」なんだろうけど「莫大な知識の積み重ね」を怠ったツケが確実に今まわっているなぁと思う訳で。アベシなんかは「ダンディズム」を売りにしていた訳でもないので別に目立たなかったのだが、この麻生とか言うオッサンは事ある毎に「ダンディズム」を演出しているように見えるのだがそれがどうも逆効果で「悪趣味で嫌味なオッサン」さ加減を曝け出しているようにしか見えない訳だ。 
 まあ漫画を引き合いに出すのも良いんだけど、例えば美味しんぼ海原雄山のモデルが北大路魯山人だったりとかする訳で、そういった意味も含めてよりそこから先に広がって広範囲に知識を蓄えて自らの肥しにするような「粋のおべんきょう」もやろうと思えば出来ると思うんだけど、どーもその手の広がりを感じないのだな。
 同じ事はネトウヨインテリモドキの連中にも当てはまることだけど、ひょっとして連中にアソウの人気が高いのも同族相憐れんでいるのかな?

恨ミシュラン (上) (朝日文庫)

恨ミシュラン (上) (朝日文庫)

恨ミシュラン (下) (朝日文庫)

恨ミシュラン (下) (朝日文庫)