日々雑論 「歴史修正主義についての考察」 その2

(承前)
で…
試しに、小林よしのり戦争論などの「歴史修正主義」を利用して、日中〜太平洋戦争を私なりの解釈で、流れをつくってゆきます。
断っておきますが、勉強をしてないと思われる幼稚園児のデンパスパムは削除及びさらし対象です。

まず、彼らのキーワード

A否定しているもの(国民党および中共の謀略と言っている物)
・「日本軍の略奪殺行為」
・「南京大虐殺
・「従軍慰安婦問題」
・「三光作戦
・「東京裁判A級戦犯」(まあ、東京裁判は茶番だと思うけどね。岸信介が戦後首相になってるし)
ま、よく見かけるものはこれくらいかな?

B無視、あるいは知らないと思われるもの(不気味なくらい話題に上がらないもの)
・「重慶戦略爆撃
・「シンガポール華僑大虐殺」(シンガポール大検証)
・「731部隊の細菌、科学人体実験」
・「鹿島花岡事件」などの強制連行問題
・「ガタルカナル島での敗北」
・「バターン死の行進
他にもたくさんたくさんあると思いますがとりあえず

C肯定しているもの
・「特攻」
・太平洋戦争末期の対日戦略爆撃
・広島、長崎への原子爆弾投下

D解釈が違ってきているもの
・「日韓併合」(侵略と進出の違い)
・「台湾占領」(上に同じ)

ま、大雑把にまとめるとこんなところでしょう。
さて、日韓併合の頃より順を追ってやっていきたいんですが、とりあえず今回は日中〜太平洋戦争敗戦までということで。

歴史修正主義、を利用して…流れを構築できるかどうか、やってみます。
まず、否定している「日本軍の略奪殺行為」及び「南京虐殺
これを消してみます。
1「皇軍の威光に恐れをなして国民党政府、漢口撤退」→「日本軍、平穏無事に南京に入城」
2「皇軍の威光に恐れをなして国民党政府、重慶撤退」→「日本軍、平穏無事に漢口に入城」
3「国民党、ほそぼそと重慶臨時政府で英米の支援を受けながら謀略活動」
4「英米、国民党の謀略に乗せられ対日経済封鎖開始」→経済戦争勃発
5「日本、真珠湾攻撃開始」
6「日本、初戦大快進撃」
7「英米、物量作戦展開。突然日本戦略爆撃開始」
8「原子爆弾投下」
9「敗戦」

・・・・・・・・・・・・・・・・

これらを連続でつなげろってか?(汗)
架空戦記じゃあるまいし…頭が痛くなってきた・・・
無理だな(爆)

1、2に関しては、まず、三光作戦否定してるから、八路軍のゲリラ戦略がやりたい放題になってしまいます。となると、「平穏無事に入場」することが不可能です。
3に関しても「重慶戦略爆撃」を否定しているからイギリスからの支援ルートは打撃をうけておらず、「ほそぼそと」謀略なんか行うはずがありません。もっと着実に力を蓄え、反撃しているはずです。
4経済戦でも、「修正主義」の方々が気づいていない、もしくは知らない、あるいは知ろうとしないことなんですが、これ以前から日本がぼろぼろになってます。円ブロックを中心とした聯銀券が、国民党通貨である元ブロックの法幣に対して圧倒的に弱く、日本が通貨対策を行えば行うほど聯銀券の価値が下がる…
日本政府が法幣の価値を下げようと謀略をすればするほど、円ブロックの聯銀券の価値が下がるという事態に陥ってます。以下、引用します(山中亘「アジア・太平洋戦争史」より抜粋)

日本は事変以来,武力戦では勝つが,通貨戦では負けて武力戦の戦果を帳消しにするので,事変の結着をつけることができないというジレンマに陥った.
  1939年初頭に,蒋介石は「果たして日本は中国の法幣制度を破壊しうるか」と題して次のように述べた.
  「もし今次の抗戦が1935年(幣制改革の年)以前に発生したならば,中国はもっと早く敗亡し,あるいはすでに辱を忍んで和を求めていたかもしれない……現在は幸にして法幣制度が存在し,……これによって良好な金融及び経済的秩序を維持し,長期抗戦の基礎を定めることができる.……ために日本は朝野をあげて法幣制度破壊の対策を鳩首研究し,もっていわゆる速戦即決の迷夢を実現せしめんとしている.日本が中国法幣制度を破壊せんと欲する対策は……みな華中を対象としている.華中の問題を解決しさえすれば中国の問題全部は解決するとみているのである.……(しかし)華中方面の市場で需要するところの貨幣は少なくとも10億元以上で,もし現金の準備を100分の50で計算すれば少なくとも5億元の価値ある現金を必要とする.しかし,偽維新政府やあるいは日本にそんな能力があろうか」
  蒋介石の言う通りであった.華北の法幣3億5000万元さえろくに回収できないのに,華中の10億元とどうやって対抗するつもりなのか.(引用終わり)

長くなったんで簡単に言います。早い話が「円ブロックの聯銀券が、民衆に信用されてなかった」ということです。信用されてないのは日本が酷い事をしてきたから、と簡単に予想できるでしょう。となると、平穏無事に入城なんかできるわけが無く、一番最初の根底があっという間に崩れます。
いんちき臭いペーパー会社の株券を誰も買わないのと一緒です。

アジア・太平洋戦争史 同時代人はどう見ていたか

アジア・太平洋戦争史 同時代人はどう見ていたか

この辺もっと詳しくやりたいんですが、とりあえずここまで