日々雑論 歴史修正主義についての考察 3

少し間が開いてしまいましたが…
(承前)
前に、中国民衆に日本軍が支持が得られていなかった事を、通貨の価値を見てみることで考察してみました。
では、今度はそれを元に、当時の日本の経済がどうだったのか?というのを考えてみることにします。
難しいな?と思われるかもしれませんが今の円安とか、ドル安とかに当てはめてゆくだけですのでそんなに難しく考える必要もないかと思いますので暫くお付き合いの程を願います。

まず、円ブロックの聯銀券が、中国ブロックの法幣に比べて信用が全く無かったという事は既に述べました。信用が無くなればその国の通貨の価値は下がります。

まず、これだけの情報で考えて見ます。
非常に判りやすくするために、消しゴムを買うとします。さらに判りやすくするため、一方の通貨をA、もう一方をBとします。
仮にAがBに対して、100:100とします。
それが、A:Bが100:120になったとすると…
消しゴムを買うために、Aであれば100ですむのが、Bだと120払わないと買えません。さらに日本軍は敵地で戦争を行っています。
これがどういうことかと言いますと…
Aの土地でBの通貨を使おうと思っていただければ判りやすいと思います。
何を買うにも割高になってしまうんですよ。

さらに、また聯銀券の話に戻しますが、1シリング2ペンスの価値である円と等価で交換できるというだけで当時の最強通貨であるドルやポンドとリンクしていないのに比べて、法幣はこれらともリンクしており、ますます聯銀券の信用が落ちます。
また、軍備を増強しようとすればするほど、必然的に輸入超になりますので、資材の買い付けが苦しくなるのは先ほどの消しゴムの話でわかるかと思います。

日本はこの法幣を駆逐しようとさまざまな謀略を使うのですが、謀略をすればするほど聯銀券の価値が下がるという悪循環に陥ってしまいます。
ただでさえ信用が無く周囲の協力が得られないところに、経済面でも既にパンクしております。

ここまで少しずつ日中戦争の背景を進めておりますが、ようやく「歴史修正主義」の方々が何を言いたいのか少しずつ見えてきましたね。
「日本は米英に負けたのであって、中国には負けてない!」ということを言いたいのではないのでしょうか?
戦闘で勝ってただけであって実際戦略や政略では完全に負けてるんですけどねえ
誰でもわかるように噛み砕いて述べますと…
当時最新鋭の武器を持った蛮族が、大陸でやりたい放題やった挙句勝手に自業自得で干上がり、本当ならやったことに対して謙虚に反省しなければいけないのだが逆に今になって逆恨みしている
といったところでしょうか?
とりあえずここまで