日々雑論 歴史修正主義の考察 6 生理的に不快感を催す場合があるので注意願います

 青木書店「日本軍占領下のシンガポール」読了。
 いや…なんというか…
 もう絶句するしかないというのが正直なところです。
 結論
 旧軍負けてよし。負けて当然。当たり前。
 自衛戦争だった? 寝言こいてんじゃねえ
 こんな事を心底思ったのは学生時代に読んだ平岡正明「日本人は中国で何をしたか」以来だな。まあ、「日本軍占領下のシンガポール」には軽い笑い話や心が救われる話もちょこちょこはあるんですが、所々に出てくる証言が凄まじすぎて、俺は今何かのホラー小説かスプラッタ小説を読んでるのか?と思うくらい壮絶なんで…
 黒い太陽731とかおかしな肉屋さんフリッツ・ハールマン*1なんかも一応は齧ってるからそんなに驚く事はねえだろなとタカをくくってたんですが、これはいくらなんでも滅茶苦茶だよと思ってしまったり…

 とりあえず、比較対象として20世紀最高の軍医、ノーマン・ベチューンによる中国での採血シーンを取り上げます。凄くいい話ですよ。まずはこちらから。
引用はたびたびお世話になっている平岡正明「平民芸術」より

(略)初めて見る西洋医学への恐怖感は延安はマドリードより強かった。死を恐れない八路軍兵士が300ccの採血で尻込みした。ベチューンは自らの血を採って(彼はO型のため、誰にでも輸血できる)、負傷兵に輸血し、その兵の頬に赤みがさして動きはじめる”奇跡”を兵士達に見せた。最初におずおずと名乗り出たのは老婆であった。自分は戦闘に加われないから、戦う息子達のために献血していいだろうかと申し出た(略)

 凄くいい話ですね。こういうのを読むと思わず応援したくなりますし、心が洗われますよね。こういういい話を読むと私のドス黒い心も浄化されてしまいます。ただ問題が一つあって、ノーマン・ベチューン関係の書籍がこれまた驚くほど入手が難しい。なので首を突っ込みたくても突っ込めないんですよね。

……
 さあ、メインディッシュに行きましょうか…やだなあ…引用「日本軍占領下のシンガポール」より 太字赤字はこちらで加工

(略)1945年3月下旬の事である。(略)私は工場で働かされることも無く、看守達は私たち5人を一列に並ばせた。(略)彼は「今日はお前達に、人が殺されるのを見せるのだ」と言った。目的は私達に、ファシストの残虐なやり方を見せて、見せしめにすることのようだった。しかし、後になって日本の軍医が許可しなかったため、私達は戻された。もともとその日は教育界の客家人陳春和(別名、陳伯)を処刑し、頭、足、体を六つに切り分け、その鮮血を吸うことだった。洗面器一杯の鮮血は、日本軍の負傷兵の輸血に当てる事になっていた。体をバラす時には麻酔を使わず、そのときの悲鳴は、とても聞いていられず、涙なしではいられなかった。(略)

勿論いつもこうやって採血してたわけじゃないとは思いますが(思いたいですが)、流石にこれは…絶句ですわ。同じ採血でもベチュ−ンのエピソードと比較してどうよこれ?こんな採血方法があったとは初めて知った。しかも軍医が許可していれば公開処刑だったわけで… 歴史修正主義の輩はこの手の事を知ってて言ってるのか知らないのかはわかりませんが、こんな事してる輩が本気で「大東亜共栄圏」なる代物を形成できたと信じているのだろうか?こんなことしてる輩が起こしたのがアジア解放のための戦争ですか? 到底そんな事言い切る連中の気が知れません。

日本軍占領下のシンガポール―華人虐殺事件の証明

日本軍占領下のシンガポール―華人虐殺事件の証明

平民芸術

平民芸術

*1:第1次大戦後でのドイツで、家出美少年を犯しては殺してその肉を食い、余った肉を安く売っていた殺人犯です。美少年を犯すと言うから女性かな?と思われるかもしれませんが名前で判断できる通り勿論男。裁判で問われた殺人だけで24人も殺してる。そんな事してたらすぐにばれそうなもんですが肉屋だったため案外怪しまれなかったらしい。嘘みたいだけど実話なんだってこれ。信じてくれよ。アンサイクロペディアから拾ったんじゃないんだってば!