日々雑論[読書] これは名著だねえ+悔しかった事

 まあ、世間では洞爺湖サミットでデモ隊と警官隊の衝突が「体制に都合のいいように」報道されていたりとか、それをさも「マスメディアの堕落だ」といきり立ってみたりとかいろいろあるようですが…
 オイラに言わせりゃそんな物は昔々の「早警戦」*1の昔からの伝統であって、マスコミなんか信じてたら酷い目にあうよとしか思ってないのであまり怒りは感じないのだが…
それはさておき

1 林博史「BC級戦犯裁判」読了
 まぁ、この腐れブログの狙いは何度も何度もしつこく立ち位置を確認しますが、あくまでも基本は「歴史修正主義」に対するカウンターアタックを、この腐れ自身の毒とドス黒い心でトッピングしたものをあくまでも「不真面目且つからかいながら」「歴史修正主義」に対してぶつけてやろうと思い立ったものです。
 で、林博史氏の「BC級戦犯裁判」を読了したわけなのですが…
 オイラがここで言いたい事、言いたかった事、殆ど述べられてるじゃん
 ただ単に「BC級戦犯」の話にとどまらず、幅広い資料から見事なまでに「大日本帝国」という国家システムの犯した戦争犯罪を的確に纏められている。「システム」というからには上は天皇ヒロヒトから下は単なる一兵卒まで全部を網羅し、この1冊に凝縮しており、さらにここが重要なのだが非常に判りやすくて読みやすい。
 だって治療中でかなり快方に向かっているとはいえ「鬱病」持ちのオイラがすらすら読めたんだぜ? しかもそんなに広範囲に広げながらもきちんと風呂敷をたたんで折り目正しくして綺麗にまとめてある。 同じ教授とやらの役職で、まあ、専門かどうかの違いはあるにしてもだ、どっかの「学問的研究に値しない」某東中野修道の、中華飯+台湾ラーメン代分と同じくらいの変な「南京(虫)本」読んで「珍事実を発見した」と愕然とするよりこの本を買って残りで岩波「世界」を買うほうがよっぽどいいに決まってる。
 まさしく「名著」である。こんな名著が野口英世で、缶ジュース2本買えちゃうくらいお釣りが来るのだから(2本買おうとすると一寸ばかり足らないけどね)まだまだ世の中捨てたモンじゃないな。

2 病院へ書類を取りに行った帰りに名古屋の三省堂をふらふらする。まぁ、売れ筋の本がいろいろあるよねーと思いつつくるくる歩いていたのだが、なんと講談社久生十蘭 従軍日記」なるものを発見! 無性に欲しくなり更に値段もそれほどビビる位じゃなかったので思わずレジに持って行こうとしたが財布の中身見てしょげる。
凄ぇ悔しい。

BC級戦犯裁判 (岩波新書)

BC級戦犯裁判 (岩波新書)

久生十蘭「従軍日記」

久生十蘭「従軍日記」

*1:決して誤字でもなければ間違いでもなく勿論「早慶戦」などではない。冗談ネタは確か平岡正明だと思ったけど手元のブツでは確認できず。申し訳ない