日々雑論 歴史修正主義に関する考察13 陰謀論というほどのものでもないけれど その4

 というわけで、前回のエントリから1ヶ月以上たってますが、よーやく思い出したので締めを行いたいと思います。
 まず、おさらいとして、この10年前くらいで何があったかつー事で、その1では仮想敵国が無くなった事を挙げました。その2では日本バブルが弾けて東南アジアバブルが始まった事を挙げました。その3では自民党が政権から蹴散らされた後、どーにか復活した、つー事をあげました。
 思いつく範囲での最後の4つ目をぶち上げてみようかと思います。
 製造業の海外進出です。
 今でこそ国内、それも道路交通だけが矢鱈発達した不便な場所での大工業団地が日本のそこらじゅうに出来てますが、当時は記憶によれば資産などの海外進出が一番盛んだったときではないかという記憶があります。で、国内産業の空洞化危機が叫ばれていた憶えがあるような。で、労働力の規制緩和という人身売買制度確立により国内に沢山沢山生産拠点が復活するのですが、それは後のコイズミになってからの話ですね。
 正社員を極端に絞り、むやみやたらにリストラを断行してバブル崩壊を乗り切ろうとしたのでしょうが、行き着く先が購買力の低下による負のサイクル化、物があるけど金が動かないと言うデフレ現象と、この先延々と続く不況のサイクル突入です。
 生産拠点が人件費の安い海外へ移ることによってますます海外の経済が活発になる一方で、肝心要の本拠地は不況の風が吹きさらし、おまけに蛇蝎の如く嫌っていたソ連イラクは既に無く、叩く相手がみつからねえ、更に周囲のアジア諸国が実力をつけ、かつて侮蔑していた相手に脅かされそうになっている、という危険且つ理不尽な危機感が、歴史修正主義というデンパをこうまでのさばらせてしまった原因ではないかと。
 もともと日本における反戦論の展開自体が奇妙なキメラである事なども大いに影響していると思いますが、歴史修正主義の連中は、傍から見るにメインストリームから切り捨てられつつあるように思える。まあ、9条改憲と言う権力の求める最後にして最大の悲願を達成するまではまだまだ権力に利用されるだろうと思うが。
 国内産業が盛んになれば不景気は払拭できると言う幻想は、国内の人身売買制度確立により既に打ち砕かれており、更にゆとり教育の失敗と詰め込み教育の弊害は世界学力テストで低い順位しか取れていないという事実が確実に証明されている。社会福祉制度の破綻はもともと弱かったのを更に削っただけだから何を今更だし、防衛省昇格が何をもたらしたかは一連の海自問題にみられるように混乱と弊害のみだ。
 要は歴史修正主義の連中がしゃしゃり出て、変な事を喚いて妙なデンパを飛ばせば飛ばすほどますます悪い方向へ向かってしまっている、という事だ。