日々雑論[政治][お笑い][中山成彬] 日本が誇る世界のギャグメーカー
まず、最初に謝罪しておきます。
実はワタクシ、日本のギャグやお笑い、といったものに対して全く評価をしておりませんでした。まあ、中にはスネークマンショーとか、全冷中とか、左翼面白主義とか、安永航一郎とか、あさりよしとおなどといったごくごく一部の例外は除いてですが…
とにもかくにも「吉本」を中心とする「お笑い」というのがどうも体質に受け付けなかったんですねえ。昼の12時からやってる吉本新喜劇も面白いと思った事は全く無いし、若手芸人のパフォーマンスにしても、
「だから何?」
位にしか思えなかったんですよ。
でも、決して「ギャグ」自体が嫌いで嫌いで仕方が無い、と言う訳でもないんです。
むしろ、ギャグは大好きなんですよ。
ただ、ワタクシの場合は「悪趣味」に端を発するブラックジョークといったらいいのか、不謹慎ネタといったらいいのか、その手のものがとてもとても大好きだったんですね。この手のギャグで非常に有名なものとしては、「モンティパイソン」がまず筆頭に挙げられると思います。あと、ピーター・セラーズの「ピンクパンサー」シリーズなんかも秀逸でした。何せモンティパイソン・人生狂騒曲の「出産の奇跡第三世界編」を初めて観た時は、笑いすぎて呼吸困難に陥ったくらいですから。
翻って東を見ればマイケル・ホイのMr.Boo! 一つ一つのネタはそんなに笑えるものでもないのですが、せこく、意地汚く、金と女にだらしなく契約でしか動かない「ドチンピラ」が何をやっても失敗しかしない、という現代版「阿Q」を演じて見せた事でギャグの壁を破り、故広川太一郎氏の名アドリブ吹き替えも相まって、非常に面白かった記憶があります。
ですが、そうやって「ギャグ」の毒を喰らい続けるとより強烈なものを求めてしまうのですね。そんなこんなで最近はあまりギャグ関係では美味しいネタを拾うのに苦労してました。
最近観た中で大笑いしたのと言えば…
「銀河ヒッチハイクガイド」とか…
「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」とか…
その程度ですね。
ですが、ここ数日で、まさに事実はギャグ映画よりも笑えてしまう、という事を認識してしまったのです。そして、日本のギャグセンスが決して欧米のそれに劣ってない、という事をまさにこの目と耳で認識してしまったのです。
日本が誇る最高のコメディアン、中山成彬氏の事です。
このお方は数日に渡ってその体を持って危険ネタでギャグをかまし、瞬く間にお茶の間の人気者になってしまいました。
最初のネタとして「成田反対運動はは地元住民のゴネ得」と、事もあろうに大臣就任後、いの一番に発言。スネークマンショーの成田空港ネタもビックリです。
続けざまに「日本は単一民族国家」 天下の東京大学出身者は高校の日本史も忘れてしまっているという、教育問題を自身の経歴を利用して痛烈に皮肉った捨て身のギャグをマシンガントークでかまします。
そして極めつけ「日教組の強いところは学力が低い」という事は全国学力テストを受けなかった犬山市は一体どうなるんでしょう? 犬山市は日本が誇る超大手予備校の河合塾の総本山である愛知県なんですけど。
流石にギャグをかまし続けて疲れたのか、数時間後には成田の件と単一民族国家の件は撤回します。まあ、ギャグをギャグとして捉えられなかった頭の固い方々に突き上げを食らったんでしょうね。芸人としての捨て身のギャグをなじられて流石にトーンダウンしてますが、日教組の件だけは撤回してません。以前、文部科学大臣に就任していたとの事ですが、余程いじめられたのでしょうか? いじめ問題は学校だけの話ではなかったんですねえ。
27日の深夜帯に辞意を示唆しますが、そりゃ芸人として自らの体を張ってかましたギャグをあれだけパッシングされればそりゃ芸人引退も考えるでしょうよ。
で、28日辞意を表明、日本最高のギャグコメディアンはこうして一世一代の檜舞台から引退しました。が!
やはり余程昔執拗勝つ陰湿ないじめをうけたのか、最後の最後まで日教組をギャグにする事だけはやめませんでした。芸人として立派なのは、贔屓にしているお客さんの期待を裏切らず、電話やメールなどで贔屓にしてくれるお客さんの声に従ってまで敢えて危険なギャグをかまし続けた事です。フライデー乗り込み事件を引き起こした後、それまでの言動を180度否定して今では文化人気取りのビートたけしや、府知事就任前と就任後で180度言動が変わる橋下などといった連中とは一味もふた味も違った、芸人の中の芸人です。
多分これからは故郷の宮崎の一芸人としてドサ周りをすることになるのでしょうが、日本屈指のギャグメーカーとして、日本芸能史上に大きくその名を刻み込まれる事は間違いないでしょう…
て、え? 政治家だったのこの人? あたしゃてっきりお笑い芸人かと…
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