日々雑論 とりあえずとしてはなんだけど その2

以下。続きですが仕切りなおしという事で。
1 新潮社、よくやった♪という話。まぁ、週刊新潮なんとかいう屑アジ雑誌もあるので全く油断は出来ないのだが、この件に関してだけは手放しで喜びたい。
どの件かって? この件ですよ
doodling様のブログで知ったのですが…
トマス・ピンチョン コンプリートコレクション」来年より刊行予定
 トマス・ピンチョンといえば、思い起こせば学生時代に国書刊行会重力の虹」上下を読破するために引きこもりになり大学を留年し(半分実話ですマジで)、「V」は何度読み始めても途中で挫折、どうにかこうにか読み通して、自分なりに咀嚼できたのは「ヴァインランド」のみの癖に何故か何度も何度もまたチャレンジしてしまうという、私にとって癖なのか麻薬なのかよくわからない因縁浅からぬ作家なのだが、このたび新潮社から新シリーズとして予定が組まれているらしい。
 具体的には…

 「V」小山太一(新訳)
 「競売No49の叫び」佐藤良明(新訳)
 「重力の虹」佐藤良明(新訳)
 「スロー・ラーナー」佐藤良明(新訳)
 「ヴァインランド」佐藤良明
 「メイソン&ディクソン」柴田元幸(初訳)
 「アゲインスト・ザ・デイ」木原善彦(初訳)

以前のものは「ヴァインランド」以外全部新訳だし、「メイソン&ディクソン」に加えて最新作の「アゲインスト・ザ・デイ」までラインナップにあるじゃないですか!週刊新潮はただのちり紙以下の存在ですが、新潮社のこの英断には惜しみない拍手を送りたいと思います。

2 国書刊行会も凄いねえ、と言う話。ここで知ったのだが久生十蘭の全集が国書刊行会から発売されるとの事。十蘭に関してはだいたいは読んでるのだがとてもじゃないが全部は網羅仕切れない、というのもあってかなり悔しい思いはあったのだ。そこにこの吉報である。願わくば新聞記者時代の関東大震災ルポとかも収録されていると嬉しい。こちらも凄く期待している。十蘭にしてもいろいろ頭の中で考えがあるのだがなかなかまとまらないのでこれからの宿題ですな。なお、第1回配本は9月との事、今から楽しみである。