日々雑論[教育][橋下腐知事] うん、川と一緒で上流が汚れりゃ下流は汚いからね

 さて、今回はちと趣向を変えて教育についてちーとばかし薀蓄をたれてみようかと。
 真っ先に思い浮かぶのが犬山市の全国学力テスト拒否の件なのですが、やっぱ「学問」といえば面倒くさくておっかなさそうだが、根っこにあるのは「好奇心」だと思うのだ。で、大事なのはその「好奇心」の針を最大限度にまで振り切らせることにあると思う訳で。 そーやって考えてみるに、今、この世の中で、好奇心をそそるものってあるんだろうか?
 あちきなんかがガキの頃はよくいろんなものをバラしてぶっ壊し、親父に大目玉食らった記憶があるんだが、テレビのリモコンも不思議で不思議でバラしても元に戻らずどやされたし…今のガキってそういう遊びするのかな? よくわからんけど。プレステをバラしてみた所でコントローラーの接触不良程度なら見当つくかもしれないが、まさかテスター使って基盤回路の通電を徹底的に調べたりとかするこぼうがいるとは思えないんだな。プログラム解析とゲームのデータ弄りくらいならちょこちょこいると思うが、これも今はブラックボックス化してしまってとても素人に毛が生えた程度じゃそれから先はかなり難しそうだしね。
 ひるがえって文系も見てみよう。
 歴史教科書問題を例に挙げるまでも無く、与えられたマニュアルをただ記憶するだけで、広く諸問題をリンクして視野を広げていこうという気が全く見られない。これじゃ面白みもへったくれもねえよ。そんなこんなのおかげで「ネトウヨ」や「ニッポソ」「インテリモドキ」の大量発生につながる訳だし。
 で、始めに戻ります。
 何故、犬山市の例を挙げたかと言いますと、犬山市の教育現場が非常に「楽しそう」だったからだ。以下、岩波「世界」20年8月号より一部抜粋

(略)この日の午前、楽田小学校の6年2組の教室では、学級を2分割した17人の児童で、算数の少人数授業(指導)がおこなわれた。犬山市では、習熟度別(学力同質)授業は基本的に行わない。この授業の目当て(テーマ)は、「立方体の展開図を作ろう」。男女混合の4〜5人で机を寄せ合い、女性教諭の説明を真剣に聞いている。
 「立方体とは?」教諭の問いかけに、多くの児童が「はい! はい!」と元気よく手を挙げる。指名された男子が「6面全てが正方形の立方体です」と答え、教諭が「そうですね」というと、クラスの皆が我が事のように拍手して喜んだ。
 その後、教諭の指示に従い、各グループの皆で相談しながら、方眼紙の上で黄色い正方形のプラスチック片をセロテープで貼り付け、立方体の「展開図」を作り始めた。「どうやるんだろう?」「こうやってみたら?」…子供達はお互いに相談し、助け合いながら作業を進めてゆく。関係のない事をしたり、手持ち無沙汰にしている子は、独りも居ない。クラスの皆と共同して学ぶ楽しさのためだろうか、自然に湧き出てくるような笑顔の子が多い。教諭は児童らを見て周り、「いいわねえ」などと励ます。(略)

 どう? 凄く楽しそうでしょ? 
 で、このルポを読んで思い当たった事が一つあった。
 学力世界一のフィンランドのことである。
 フィンランドと言えば2次大戦時、スーパー狙撃兵シモ・ヘイヘ等の大暴れによりソ連に対して一歩も譲らずタメはった国とか、石を投げれば超人ドライバーばっかに当たるとか、フリー○△×とか、そんな認識しかなかったんすよ実は(笑)
 その数少ない認識の中に学力世界一ィィィィィ!!!!とゆーのもありました。 
 で、その学校の授業内容を知って大いに納得したものである。
 以下、岩波「世界」20年6月号より一部抜粋

(略)教室の真ん中に置かれた机の上には、藻や紫玉ねぎ、カビの入ったビンなど様々なものが置いてある。最初は藻を使ってプレパラートを作り、スケッチをするように指導したが、その後は各自好きなものを見ていいという事になった。「髪の毛でもいい?」「傷口の血でもいい?」子どもたちは、自分の体にとても興味があるらしい。なかには、携帯電話で標本の写真を取り出す子供まで出てきた。もちろん、授業に関することなのでOKだ。傍から見ていると、なんとなくざわざわしている、と言う風にしか映らないかもしれないが、この授業は午後の3時間をつかって行われ、最後の5分間だけ教科書を使って毒物と植物の違いを確認していた(略)

 どう? こっちも凄く楽しそうでしょ? 
 そりゃこーいう授業してりゃ自ずと面白くなるし、こぼうは面白けりゃほっといても首突っ込んで弄りたがるから捨てておいても自分で学んでいくわな。そうなりゃ自然と学力も上がってくのは容易に想像がつきますのう。
 翻ってここからが本題です。
 我等が腐知事、橋下大先生閣下が大阪のこぼうのテストの出来に吾を忘れてゲキを飛ばしたようです。
 

橋下知事、教育非常事態宣言も
9月1日15時35分配信 産経新聞
 小学6年と中学3年を対象に実施された全国学力テストで、大阪府都道府県別で小学校41番目、中学校45番目と前回に続いて下位に低迷したのを受け、橋下徹知事は1日、「教育非常事態宣言」の発令を検討する意向を示した。
 この日、報道陣の取材に対し橋下知事は、原因究明のため市町村ごとの成績を公表するよう府教委に指示したが、府教委から「(市町村や学校別の成績の非公開を指示した)文部科学省の通知は重い」と拒否されたことを明らかにした。そのうえで「府教委は何も考えていない。都合が悪くなったら逃げる」などと痛烈に批判した。
 今後も成績の公表について、マスコミなどを通じて府民にも訴えていく方針を示すとともに、教育非常事態宣発令も辞さない考えを明らかにした。ただ、学校別の成績公表には消極的な姿勢を示した。

 アチキに言わせりゃこぼうたちに嫌な事させといて、それに食いつかねえから教育委員会をぶったたく、としかみえねーんだなこれが。まだ年端もいかないこぼう達がそんな嫌で嫌でたまらねー事わざわざするか? それを尻叩いて他者と比較させて競争心と劣等感をあおり、侮蔑と嫉妬を増殖させるだけでしかないやり方しかしていないからこーなるのは判っているはずなのに、それをわざわざ教育委員会に八つ当たりしてるようにしか見えん。こんなの当然の結果が出ただけじゃ。
 メディアの寵児だかタレント弁護士だか知らねえが、もういい加減見苦しい真似よしたほうがいいよ、とだけ言っておく。上がこれじゃ下も汚れるのは物の道理だけどね。