日々雑論 歴史修正主義に関する考察 その18 ネトウヨ≒オタク≠マニア

 ここんところ某宮崎県出身のコメディアンの一連の騒動とか、戦後教育の弊害の象徴とも言える某元空軍幕僚長のみっともない公開自慰行為とか、阿呆太郎くんの勘違い悪趣味炸裂とか、いろいろ話題に事欠きませんがえーかげんその手のネタは食傷気味でもありますのでちとばかし本道に戻ってみようという事でしばらく歴史修正主義に対するカウンターを考えてみたいと思います。
 まあ、少し前のネタで申し訳ないんだけど、TBSが戊辰戦争をネタにして話題を展開したときに、「侮辱だ」とかナントカ言う苦情があってそれに謝罪したとか言う事があった記憶がある。

TBSからのお詫び
平成20年4月8日
2月16日放送の「歴史王グランプリ2008 まさか!の日本史雑学クイズ100連発!」において、会津藩若松城を開城した理由をクイズ問題として取り上げました。

 その際、主な要因である「他の藩からの応援の望みが絶たれたこと」や「物資が枯渇してしまったこと」などに言及せず、あたかも『糞尿が城内にたまり、その不衛生さから』が主な原因であるかのように伝えてしまいました。また、「逃げ出す」という視聴者に誤ったイメージを与える表現を使うなど、会津若松市民、並びに関係者の方々に著しく不快感を与えてしまいました。
 会津若松市民の皆様と関係者の方々、そして視聴者の皆様に深くお詫び申し上げます。

 なんかこの「お詫び」に対して違和感が頭の中を駆け巡っていたのだが、そのまま放置しておいたのには訳があってこの「違和感」がどうにも説明がつかなかったからなんだけど、確か篭城内部での糞尿はどーたらこーたらとかいう話だった筈だ。まあ切り口からすればこれはこれでアリだと思うし、それがきっかけで衛生面や補給などの点から物を考える事だってありうる訳でカメラ目線でシカメっ面した天下の将軍様が馬に乗って悪徳役人を何十人も斬っておしまいのターミネーター時代劇や、大河ドラマでよくあるような歴史上の有名人のしまこーサクセスストーリーばかりを見続けるよか新鮮だ。
 そういう意味でモンティ・パイソンのスケッチやスネークマンショーなんかのネタで呆れて、しかも笑ってしまうのがその着眼点とネタの料理の仕方なんだけど、同じ戦争ネタの料理方法でも、教官に世話になったからと銃弾の飛び交う塹壕の上で上官祝福パーティーを開いて次々に狙撃されちゃうとか、戦場真っ只中、銃弾に倒れて今にも死にそうな兵士にロングインタビューとか楽しい笑いが満載なんだけど、こういったのに対して完全思考停止して無意味に口撃を展開するオタクの方々ってどーなのオイ?と思ってしまうのだ。
 「こんなのただのネタじゃねえか。ネタ如きで目くじら立てなさんな」というのが誠に正直な感想なのだが、なんかそーいう連中に対して思うのが、戦争に「ロマン」を感じてるだけじゃねーのか? キレイゴトしか考えてねえんじゃねーのか?という事だ。
 まあこの件に限らず最近だと国籍法問題でもそうなんだけど、海外からの出稼ぎに来ている方々との諸々の矛盾は既に修正不可能に近いくらいにまで歪が出てきており、今回の国籍法改正はその歪を少しでも無くそうとしたという点である程度の評価をしなければならないのだが*1、どーもそこまで考えている方々の中にはオタクやネトウヨと呼ばれる連中の中には残念ながら少数でしかない。
 確かに戦艦とか空母のウォーターラインシリーズとかハセガワの戦闘機とかタミヤの1/35戦車とかオイラもプラモ沢山作ったしPCの壁紙はラファールやユーロファイター使ってる時もあるしこーいったのはハイテクの塊だから見てて楽しいつーのは否定しません。否定はしませんよ。ええ否定しませんとも。
 ただ、どれだけテクノロジーが発達して人間味が薄れたように見えたとしても、結局最後の一撃は歩兵の突撃であり、またテクノロジーが進化した結果、最終解決は結局ズブズブの泥沼にしかならない、という事がネトウヨやオタクの方々には残念ながら全く見えてないのではなかろうか?
 銃弾が腹に当たれば簡単に腸が飛び散る訳だし、塹壕内で何日も人斬り包丁とハジキと火薬と銃弾と一緒に過ごせば血と汗と涙と糞尿に塗れるのは当たり前だ。勿論最前線だけの話でなく、国内においても既にこれだけライフラインの自動化が完備された状態にあっては戦争になった時点で糞尿の問題は言うに及ばず、一気に干上がる事は容易に想像がつく。ギャーギャー思考停止してウザイ事いう阿呆ドモも居ると思うが、ためしに1週間で良いからシャワーすら浴びずトイレにも行かず(道端で用を足したりするのはOK)過ごして御覧なさい。殆どの人が無理だと思う。
 まあ、で、やっと表題とのカラミなんだけど、マニアと呼ばれる方々はその辺も頭に入れてきちんと物を展開してくるんですな。なので、着眼点により広い幅が出て楽しいんだけど、残念ながらネトウヨ≒オタクの連中の会話やブログ、HP等を拝見してもちっとも楽しくない。これに関しては今の娯楽にも責任がありそうだ。
 まあ、判りやすい比較で映画やアニメを見てみることにするんだけど、「西部戦線異状なし」なんかだとしっかりその手の塹壕戦の有様を描写してたりとか、「眼下の敵」なんかだとUボートの深度が下がれば下がるほど水圧という最強最悪の敵がメリメリ攻めて来て余計恐怖感を煽られたりとか百難去ってまた百難なんだけど、最近の戦争映画でそういった「負」の面をきっちり描写したのって「プライベート・ライアン」とか「スターシップ・トゥルーパーズ」位でしょ? どっちにしろ海外映画だけどさ。まあ「クラブ進駐軍」なんかも入れて良い気はするけどあれは「敗戦後」だしなあ…
「なんたらのイージス」にしろ「ろーれらい」とかにしろピカピカカッコいい軍、自衛隊、というイメージ戦略というか宣伝というか、がなんか多すぎる気がするんだよな。まあ、古くは宇宙戦艦ヤマトもそうなんだけど、やたら絶望的な状況下での全ての行為がヤケに奇麗事ばかりで纏められてたりしてるし、オタクを語るに避けて通れない「ガンダム」においても、家捜しして酒盛りするという連合軍兵士の愚連隊ぶりを表現したのは立派だが、ネトウヨ≒オタク連中に敵方のジオンに惹かれるというのが多いという結果になってるでしょ。
 で、結局何が言いたいんだ?となるのだが、歴史修正主義者の末端は、こういったのを基本骨格の肥しにしてるのではなかろうかと思う訳だ。この項続く

*1:勿論セーフティネットが全く考慮されてないのに国籍だけ整えても逆に、不当労働力として不当かつ合法的に利用されつくされる危険性とかが十分考えられるので個人的には時期尚早とは思ってますけどね