日々雑論 ええかげん被害者面はやめろって。見苦しいわ
あんまり同じ事を何度も繰り返すのは面倒くさいし鬱陶しいのだが、こんなニュースもあった事だしもう一度見直すのもいいだろうという事で前に述べた事をもう一度記してみたいと思う。ま、どのニュースを見てそう思ったのかというと、このニュースです。
東京大空襲 墨田区で春季慰霊大法要
3月10日11時11分配信 毎日新聞
１０万人の市民が犠牲になった東京大空襲から６４年を迎えた１０日、大空襲と関東大震災の「春季慰霊大法要」（東京都慰霊協会主催）が、東京都墨田区横網の都慰霊堂で開かれた。遺族ら関係者約３２０人が参列した。
石原慎太郎都知事は「平和な世界を次世代への財産として引き継ぎ、安心して暮らせる首都・東京を創造していくことを改めてお誓いする」と追悼の辞を述べた。その後、寛仁親王殿下に続き、遺族代表らが次々に焼香をした。
大空襲により江東区の深川地区で母を亡くした千葉県八街市の無川正照さん（７５）は「友人も大勢亡くなり、一家全滅になった人もいる。戦争はない方がいい」と目を潤ませ、花をたむけた。例年、首相の参列がないため「ぜひ首相にも来てもらいたい」と政府の姿勢に苦言を呈した。【木村健二】
で、アジア太平洋戦争時の主要工業都市空爆についてのアタシなりの見解。これが再掲
所謂世間一般では「太平洋戦争時、戦争に参加していない無辜の市民の大多数を焼夷弾で焼き殺した」とされる東京大空襲だが、この解釈は大いに疑問が残る。近代戦というのは文字通り総力戦であるからして、直接戦闘に携わる障害のみを排除すればよいという前近代的なモデルとは違い、文字通り物資の生産拠点を確実に潰してゆく必要があるからである。
他の大陸の国々とは違い、日本における工業地帯は大都市を中心に裾野の如くひしめいている中小の工場が軍需工業を支えており、生産拠点を消滅させるには中小の工場を粉砕し、生産能力を麻痺させる必要があった。更に加えるならばまだ年端も行かぬ子供といえども工場に於いて重要な労働力として成立しており、加えてタケヤリでのゲリラ作戦など、正気を疑う戦闘行為や模擬戦闘訓練を行っていた辺り、どう贔屓目に見積もっても「非戦闘員」と一縛りに出来るものではない。
「戦争とは他の手段を持ってする政治の延長である」というクラウゼヴィッツにおける戦争論の言葉を借りるなら、まさしく政治力、経済力、外交力の全てに於いて日本はアメリカやイギリス、中国等に劣っていたのであり、負けるべくして負けたのであって決して不思議な事でもなければ非難される事でもない。むしろ近代における「総力戦」を非常に安易なものとして捉えた挙句、女性や子供まで洗脳して「準戦争行為」に狩り出した旧日本政府こそ断罪の対象として処罰されるべきであり（略）
まあ、一部略させてもらったが、米軍による主要工業都市空爆の雛形といやぁ旧軍の重慶戦略爆撃が実質的な始まりだし、当時の風潮やなんかをちょっとでも見れば「ウルセエ！ オメーラ被害者面してんじゃねぇ！」と唾棄したくなっちゃうし、石原珍太郎ごときがしゃしゃり出て「平和平和」と叫ぶというのも、お前出てくる所間違えてるよ公営カジノ案の発案者なんだから雀荘でピンフピンフと叫んでろとしか言えず、本当にキッチュの塊にしか見えないんだけど、空爆による真の被害者の方々もいる訳で、ウッセェバカ！ウッセェバカ！とひと括りに出来ないところが難しい所でもあるわけだ。
東京大空襲：犠牲になった朝鮮人の追悼会−−墨田 ／東京
3月1日11時1分配信 毎日新聞
１９４５年３月の東京大空襲で犠牲になった朝鮮人の追悼会が２８日、墨田区の東京都慰霊堂で行われた。父親を失った黄秉煥（ファンビョンファン）さん（７０）と金琴蘭（キムクムラン）さん（７０）ら遺族２組が韓国から来日し、出席した。
会の主催団体によると、２人の父はいずれも軍属として朝鮮半島から日本に連れて来られ、空襲に遭った。
黄さんは追悼会で、遺骨も見つからないままの父に向けた追悼文を読み「（夫を待ちわび亡くなった）母がここにいれば、少しは心安らかに旅立たれたでしょう」と無念を訴えた。金さんも「アボジ（お父さん）、すべての犠牲者の皆さん、心安らかに」と呼びかけ、泣き崩れた。
「国」「権力」という暴力装置にほぼ無理矢理つれてこられ、遠い異国の地で空爆に合い亡くなられた方々や、「政治犯」「アカ」と罵られ、周囲からいわれの無い差別と迫害を受けつつ空爆の犠牲になってしまった方々もいるだろう。前にもどッかで述べた記憶があるんだけど、旧勢力に対して何一つ協力していないどころか、むしろ迫害されていたにもかかわらず、旧勢力への対抗措置としての暴力装置によって圧殺されてしまう所に大いに問題があるわけで。
この点やっぱり上は皇室から下は被差別部落に到る非常に細かい縦の差別の構図と、ムラ社会を中心とするヨコの構図と一緒に考えなければいけないと思うんだけど、それはまた後ほど
