日々雑論 ウサンクサイケイ抄6月27日

産経抄】6月27日
2010.6.27 03:08
鴨緑江を挟んで北朝鮮と国境を接する中国の丹東の丘に朝鮮戦争の記念館がある。ちょうど60年前に始まったこの戦争で中国は途中から約20万の「義勇軍」を投入、鴨緑江近くまで迫った米軍などを南へ押し返した。その戦いを称(たた)える館(やかた)なのだ。
▼数年前ここを訪れると、北朝鮮からも見えるという高い塔が立っている。「なぜこんなものを」という質問に、中国人ガイドが真顔で答えた理由に驚いた。「北朝鮮は中国軍のおかげで独立を保てたのに、今はそれを忘れたみたいだ。思い出させるための塔なのです」。
▼半ばジョークだったのかもしれない。だが歴史を巧みに外交に利用する、いかにも中国らしい発想に思えてならなかった。つまり、何十年も前の戦争の「恩」を繰り返し押しつけることで、北に服従を迫る。その結果、自らの国際的地位も高まるという計算だろう。
▼その中国で、朝鮮戦争北朝鮮の侵攻で始まったことを認める特集記事が国際情報週刊紙に掲載されたという。この「北侵攻」説は、国際社会では「常識」である。ところが中国では今も公式には、戦争は「米韓の帝国主義による侵略」ということになっているのだ。
▼中国にしてみれば、そうでないと義勇軍を投じた「正義の戦い」ではなくなってしまう。北に対する「圧力」もおぼつかなくなるからだろう。だが北朝鮮侵攻説を載せた週刊紙は国営新華社通信の傘下にあるという。国の歴史観見直しの兆しなのかもしれない。
▼むろん、これが中国の対北外交変更につながるかも分からない。だが日本人にとっては、中国が振りかざしてきた歴史観がいかに政治的なものかを知るいい機会だろう。特にそれを金科玉条のように、押し戴(いただ)いてきた一部の人々にとっては。

確か蒋介石秘録で「中国の振りかざした歴史観」とやらをまとめて本にしたのって産経新聞だよね?(嘲)

ウサンクサイケイ抄6月27日

東京都の都心のど真ん中、靖国神社とか言う異国で略奪犯殺の限りを尽くした戦犯が祭られている変な神社の中に遊就館とかいう太平洋戦争の記念館がある。ちょうど65年前に始まったアジア太平洋戦争戦争のはるか前、日中戦争、いやシベリア出兵、違うな…日清戦争から「他国への内政干渉」を繰り返し、挙句の果てに米帝に日本全土を焼け野原にされた。その戦いの過程を自虐的に称(たた)える館(やかた)なのだ。
こんなところ興味本位以外で別に訪れる価値もないのだが、当時のゼロファイターだとかチハタンだとかのいろいろなおもちゃがある。「なぜこんなものを」という質問がでるだろうが、雇われガイドが真顔で答えた理由に驚いた。「日本は先の戦争でなくなった英霊のおかげで独立を保たれたのです。それを忘れないための施設なのです」
▼半ばジョークだったのかもしれない。だが歴史を巧みに内政に利用する、いかにも日本らしい発想に思えてならなかった。つまり、何十年も前の戦争の「英霊の尊い犠牲」を繰り返し押しつけることで、国民に服従を迫る。その結果、自らの国内統治も楽になるという計算だろう。
▼その日本で、ようやくアジア太平洋戦争は侵略戦争であったという認識が広まっているという。この「アジア太平洋戦争」問題は、国際社会では「常識」である。ところが日本の一部メディアでは今においても戦争は「美しい英霊たちの犠牲を伴った、アジア開放のための聖戦」ということになっているのだ。
▼日本の一部メディアにしてみれば、そうでないとアジア開放のための「正義の戦い」ではなくなってしまう。国内に対する「圧力」もおぼつかなくなるからだろう。だが「美しい歴史観」を載せて憚らない新聞を語るミニコミ誌は産経新聞という名前であるという。日本、それも一部のマスメディアが狂ったように喚き散らす歪んだ歴史観見直しの兆しなのかもしれない。
▼むろん、これが日本の国内世論操作につながるかも分からない。だが多数の日本人にとっては、産経やぽんぽんイタイ安倍ちんなんかが振りかざしてきた歴史観がいかに政治的なものかを知るいい機会だろう。特にそれを金科玉条のように、押し戴(いただ)いてきた一部の人々にとっては