日々雑論 落ち着いてきたので民主党代表選の感想なんかを

 個人的に言えば、小沢一郎という強烈なカリスマは手法自体は古いなとは思うのだがあまり嫌いではない。まあ、よくある一昔前の豪腕政治家というイメージはある。そういう意味ではぽんぽん痛ぁい安倍ちんとか、勘違い悪趣味オヤジの麻生などよりも「はるかに」政治家としての手腕と能力は飛びぬけているなと思うのだが、これはあくまでも政治に関してのトーシロな、ただの腐れ面白主義者の成れの果てによる外野の意見なのだが、鳩山小沢ラインの最大の失敗は、周囲に敵を作りすぎ、なおかつ作った敵を一致団結させてしまったなあというところに最大の失敗があったのではないかと思うのだ。
 公安もマスコミも政治とカネという、ある意味手垢にまみれた手法でしか小沢氏を追い込めなかったわけだけど、逆に古い手法で戦う政治家にとってはこれほど痛いのも無い訳で。まあ、政治とカネの問題については今更何をと思うかもしれないが、大体のマスコミの論票を眺めても、日本の政治はカネが滅茶苦茶かかるのよという視点が「スッポリ」抜けているのが気に食わないだけなんだけどね。
 結果だけを見れば小沢氏の敗北、管氏の大勝なんだけど、まあ小沢氏が勝てば地方にカネが流れただろうが、管氏が勝ったのでこれまで以上に中央にお金が流れるだろうなという気はしている。前政権の敗北を間近で見ている管氏が、その二の轍を踏むとも思えないので官僚や公安、マスメディアへのメス入れ等と言った民主党の初期目標はたぶんうやむやになるだろうねという気もするし、消費税10%も秒読みとまでいかないにしろ管氏が代表となった事で恐らく時間刻みだろう。超大企業はこれまで以上に政府におんぶに抱っこ、不況の理由を自らの企業哲学を全く省みることなく政府にいつまでも駄々をこね続け、マスメディアも尻に乗っかって吼えまくるのは目に見えている。
 ドラえもんでの最近のエピソードでスネ夫が最新3Dテレビを買った話があったようだが、恐らく遅々として進まない地上デジタルテレビへの移行促進を狙ったものと思われるけど、冷静に考えれば3D技術自体は何も目新しいものではない。巨大猿が街中をただ暴れるだけの韓国の3D映画「エイプ」は1977年だし、同じく3Dが売りだった「ジョーズ3」は1983年、「飛び出す人造人間キカイダー」は1977年だ。ゲームで言えばアイレム「バトルバード」やナムコサンダーセプター」は1986年だから、今は2010年なので30年から40年前に確立された技術でしかなく、エコカー減税だ時代はハイブリッドだいやEVだと自動車業界も騒がしかったが、カーオーディオをある程度首突っ込んで気合入れて弄り倒した人間からすれば、バッテリーやキャパシタ等で、いかに良質の電気を大量に、しかも長時間確保するかというのがどれだけ難しいかというのを身をもって味わっているため、今、どんなに電気自動車が優遇されていようが、10年以上車を長く使おうと考えた場合、とてもじゃないけど電気自動車なんか買う気にはならない。
 国内での購買力が既に衰えている以上、どんなに付加価値をちらつかせても食いつけるわけが無いのは自明の理でほかならぬその購買力を奪っているのが大企業の1極利益集中によるものだというのが「全く」見えていないのが不思議なくらいなのだが、恐らく大企業の中枢は既に「わかって」おり、既に「市場としての日本」を諦めているのだろう。でなければ政府の消費税10%を必死になって妨害するはずである。
 製造業は作ったものに対する責任を消費者に押し付けて、既に枯れた技術や全く無駄な技術を適当に飾り立て、さも「乗り遅れるな!これが未来の技術でござい!」と売り続ける詐欺師まがいのやり口はいい加減やめたほうがいい。更に加えれば実際に生産ラインに携わっているのは派遣業務で糊口をしのぐ方々や、研修生製度などでつれてこられた海外の方々だ。とどめに言えばそのような大多数の低賃金で抑えられた方々の手によって生産、開発された高額商品にしても3DCADなどでの解析、設計により限界まで生産コストを抑えられた、ギリギリの代物でしかない。トマス・ピンチョンの「重力の虹」で、絶対に切れる事のない「不死の電球バイロン」が軍事産業複合体であるザ・ファームに執拗に狙われるエピソードがあるが、まさしくそれを地で行っている訳だ。
 まあ、現政権は対外的には柔軟な姿勢を示している訳で、安倍ちんのときのような鬱陶しさと間抜け面をこの夏に拝む事がなかったのは久しぶりのすっきりした出来事だったが、それ以外になにも話題が無いというのが現状な訳で、まあ、なるようにしかならんわという気しかしないのが寂しい所である。