日々雑論 小沢氏が強制起訴らしいですね

 まあ、民主党一の豪腕小沢一郎氏に関しては「政治とカネ」の問題が取り沙汰されてますけど、ここで問題なのは「何故政治にカネがかかるのか?」という事であるという事がスッポリ抜け落ちている、というか誰もその事をつつかないのが不思議というかナンデダローという感じなのですが、検察側も一か八かの賭けに出たなあ、という気がしている。
 まあこれまで何度も何度も何度も何度も何度も何度もそれこそニュースや報道チャンネル、ワイドショーでブラウン管を騒がしていたのが「小沢氏とカネ」の件であるのは論を待たない事だけど、なんでこんなにしつこくしつこくしつこくしつこくしつこくしつこく×∞位に報道するの?というのが頭の中にあって、いい加減テレビをつけるのも嫌になってきているのでもっぱらうちの日立プラズマWoooは空軍大戦略ピストルオペラのDVD再生専用モニターと化しており、更に加えて連日新聞の一面が小沢氏の事ばかりなのでろくに新聞も読む気にならず、トマス・ピンチョンのメイスン&ディクスンと逆光に悪戦苦闘している有様です。

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 ショムニのときはあまりいい印象でなかったのですが、江角マキ子演じる殺し屋野良猫の色っぽさというか、いなせというか、凛とした感じに少し惚れてしまったり、CGじゃないスピットファイアの空中戦に手に汗を握ったりとか、メイスン&ディクスンのアメリカ編も大分進んだ気がしますが印象に残ってるのが人間の性愛行為を観察する機械鴨の話とか、変な蟲との対決と呪いの話とかしか覚えておらず、やっぱ精読しねえと駄目だよなぁとか、その前に逆光があるだろうとか、もういろいろです。
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逆光〈下〉 (トマス・ピンチョン全小説)

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 ここまで来るともう小沢氏の起訴→不起訴の流れも一種の定期行事という感じで、「そんなに既存権力にとって小沢氏が邪魔なのかネエ」という気がしているんだけど、逆に言えば民主党で実力、経験共に兼ね備え、文字通り最強の存在であるからこそ、ここまで攻撃の対象になるのではないだろうかという気がしている。対中問題で管内閣があそこまで無能を曝け出した訳で、鳩山前総理が「私だったらあそこまでこじらせたりしない」と発言したりした訳ですが、まあこっちは双方痛み分けといった感じで終わったようですが、とても不思議なのは「保守」を前面に押し出しているメディアが目の敵のように小沢氏叩きをしている事なんですよねえ。
 小沢一郎という人間は決して「左派」などではなく、むしろ「保守王道」平たく言えばふた昔前の典型的な自民党政治家です。地元への利益誘導の手法といい、都市部よりも地方からという政治戦略方式といい、地方利益集団への利益還元と選挙協力への手法といい、まさに昔の保守王道自民党政治家です。
 革新メディアがこういった手法を嫌うのはよくわかるし、それを上手に利用して自民党の既存支持基盤をぶち壊した小泉氏の手腕に革新派がころっと騙された結果、大企業への富の一点集中と貧富格差の増大という最悪のシナリオが口をあけて待っていた訳ですが、一部を除いて小泉氏の評価はあまり低くないというのが不思議といえば不思議ですね。世界中で赤っ恥をかいた安倍ちんとかいう忘れ去られた人も居るようですが。
 で、ここが一番の疑問なのですが、保守も革新も一緒になって小沢氏を叩いている。更に加えて「政治はお金がかかるのよ」という最も問題と思われる点の考察がすっぽり抜けているにもかかわらず!
 意識的に避けているのかそれとも無意識に避けているのかはわからないが、「何故政治にカネがたくさんいるのか?」という点に対して誰もつっこまず、ただ単に「政治とカネ」と叫んでみたって何の解決にもなりゃしないのは一寸考えればわかりそうなものだと思うのだが、どうせ「政治とカネ」の問題に切り込むのなら特定個人を何度も何度も何度も何度も起訴、不起訴を繰り返して無駄に時間とカネを浪費する事ではなく、「政治を行うのになぜカネが沢山いるのだろう?」という所から始めないといけないと思うのだがねえ。