日々雑論[時事] 最近「ジャパニーズブランド」がやたら喧伝されてないかい?

 といっても第1次産業の事じゃなくて2次産業、つまり製造業の事なんですが。
 シャープで行けば液晶テレビAQUOS」に代表される亀山モデル(三重県亀山)、松下なら大画面フラットテレビのため大阪に大工場建てたし、日立なら宮崎だったよな確か(EIDENでそのまんま東の絵がWooの所に描いてあったのを見た記憶がある)トヨタは仙台や九州に工場を進出するとか言う話をちらっとニュースかなんかで見たことあるし、一時期の海外進出ブームは何処へやら?と言ったところっすね。
 一寸なぁんか変な感じを受けないかい?
 何がって?
 「人件費が高いはずの日本で、何故こんなに工場建設ラッシュが起こってるの?」
 と、いう事だ。
 いや、何でそんな話ふるんだ?という事なんだが… 
 単純に考えりゃ「人件費」「土地代」「多国籍企業への優遇措置」など頭に入れればただの損得勘定ではじき出すなら「絶対に」海外で生産したほうが得なんだ。わざわざ日本で生産すれば資源輸送費もかかるしね。「海外」で安い労働力を確保して現地生産し、それを各所に輸送するほうが国内資産の課税対策も免れるしメリットがあるはずなんだ。 
 しかし、敢えてそれをせず「日本」の山奥にでかい工場をたちあげて生産を行っている…
 考えられる事はただひとつ、「国内での大企業への各種緩和、優遇措置」しかない。つまりは派遣業務などの「雇用流動化」、海外からの「研修生制度」等の各種規制措置の緩和、優遇策により国内でも「安く、何時でも切れるときに切れる労働力」がたやすく確保できるようになったから、に他ならないだろう。
 それが証拠に恩恵を受けられない規模の中小企業や軽工業の生産地は未だに海外頼みでしょ?
 そんな事ばかりやってると手痛いしっぺ返しが来るよ、と何度も何度もしつこく言うのは、中産階級がほぼ壊滅して格差がドドンと広がったにもかかわらず、むしろ政府や世論がそれを助長する方向にしか動いてないからであり、更に前のエントリでも述べたように元々日本は「貧しいものを助ける」「救貧システム」としての社会保障対策ではなく、ゼネコンへの公共事業に代表される「職業提供」による「社会保障対策」を軸にしていたおかげで「職業提供システム」から転げ落ちた人への「救済システム」は非常に貧弱にも関わらず、「各種企業」に「任せていた」「社会保障システム」を「規制緩和」で緩めたくせに「各種優遇措置」は平気で残したもんだから大企業のみが空前の利益を得る一方でますます格差が広がっているんじゃないのかね?という事を言いたかったのだな。
 小難しい事ばかりこねやがってと思うかもしれないので判りやすく言ってみよう。
 前にもこのエントリで述べたが、もともと「オカミ」は「働かざるもの食うべからず」であり、その代わり「働く機会」はくれてやる、という事で「商人」達と手を組んで「おめーらオカミが職を下さったぞ有難く思えぃ!。働く限りはおらっち商人が面倒見てやるぜ」だったのだが、「大手のあこぎな商人」が「オカミ」に「金の饅頭」渡したりしていろいろ抜け道作ってもらい「おめーらの手当てナンザこれっぽっちで十分だ。嫌なら他に幾らでも仕事したい奴ぁいるぜ」となった訳だ。そのおかげで「あこぎな商人」はたんまり金を蓄えて、「オカミ」はおこぼれに預かり、ますます貧乏人は増えてゆく、って世の中だな。
 更に加えて、新聞やテレビなどのメディアにしても「企業」である以上、大企業からのスポンサー料をフイにしてしまっては経営が続けられる訳も無く、こっちのほうもほぼ望み薄。出来る事と言えばせいぜい個人が細々とブログで息を吐くくらいか。工場予定地の地方にしても企業誘致の甘い汁を喉から手が出るほど欲しい程に台所事情が苦しいから進んで受けるだろうしね。 
 全ての環境やシステムを破壊、蹂躙し、周囲の利益を刈り取るだけ刈り取って搾取しつくした挙句にとっとと撤退。これじゃ言わば焼畑農業」ならぬ「焼跡工業」だ。 
 それが証拠に地方のド田舎廻ってごらん。あるのはショッピングモールとTSUTAYAみたいな郊外大型書店と大手シネコンとコンビニだけだろ? 品物は確かに沢山あるが並んでるものはみーんな一緒。乱暴な言い方すれば「でかいコンビニ」があるだけだ。クソ面白くもなんともねぇ。地元の大型ブックストアなんざ暇潰しにぐるぐる廻るが「ジャンプ」「サンデー」「屑戦争本」「ハウツー物」「歴史武将物」といった「どこもほぼ一緒」の本しか置いてないし、シネコンなんざ何処に行っても全部のコヤが「ハリーポッター」と「少林少女」と「パイレーツ」と「ケロロ軍曹」。そんなんじゃ馬鹿馬鹿しくて1800円も払ってられっか。 
 で、やがて飽きられ、捨てられる前に周囲の利益を吸い尽くすだけ吸い尽くした大企業が撤退し、それに応じて人口が激減、全てが連鎖反応的に無くなり、最後には廃墟以外何も無くなっちまうわけだな。まさに「焼跡工業」だ。
 なんでこんなにしつこく言ってるかって?
 その大きな歪が取り返しのつかなくなる前になんとかしなきゃならんと思うからだ。
それは此処一連の「無差別殺傷事件」という名の「弱者殺傷事件」という現象や、トヨタグループの「ベトナム研修生訴訟問題」なんかでもう表面に現れ始めているからだ。
【追記 2008/07/13】
ロイターがこんな事言ってます。オカミが御用商人と結託してこんな事してりゃ当然の結果ですが。

6月消費者態度指数は過去最低、基調判断は据え置き
7月11日16時4分配信 ロイター


 [東京 11日 ロイター] 内閣府が発表した6月の消費動向調査によると、消費者態度指数(一般世帯・原数値)は32.6、季節調整済み指数は32.3となり、それぞれ1982年6月の調査開始以来の最低水準となった。内閣府は消費者マインドの基調判断を「悪化している」に据え置いた。この表現は8カ月連続となる。
 原数値の前月比は1.3ポイント悪化となり、3カ月連続で悪化した。構成する4つの意識指標の「暮らし向き」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」「収入の増え方」の全てが悪化した。
 季節調整済み指数は、3月比で4.2ポイント悪化した。悪化は6四半期連続だった。
 同時に発表された1年後の物価見通し(一般世帯・原数値)は、「上昇する」との回答が前月比0.1ポイント上昇の87.2%となった。2004年4月の同項目の調査開始以来の最高水準となった。このうち、1年後に物価が5%以上上昇するとの見通しが38.7%で最多だった。「低下する」との回答は2.8%で前月比0.2ポイント低下、「変わらない」との回答は5.1%で前月比で0.5ポイント上昇した。
 この調査は「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4指標について回答を得た結果を指数化している。今回の調査基準日は6月15日。 
 エコノミストからは「消費者マインドの悪化傾向に歯止めがかかる気配はない。高い物価上昇率を見込む家計の割合が増えている。足元で上昇を続けている消費者物価は7─9月期に伸びをさらに高めるとみられるが、このことが引き続き消費の下押し要因になるだろう」(第一生命経済研究所・経済調査部主任エコノミスト・新家義貴氏)との指摘が出ていた。
 (ロイター日本語ニュース 寺脇 麻理記者)

書いてて気がついた。この前言及した内容は必ず近いうちにやりますんで(汗)